第4章:食欲を解放する夜に
― 揚げ物という選択 ―
前菜には「軽やかな始まり」のイメージがありますが、イタリアでは時に“今夜は心もお腹も満たしたい”という日もあります。そんなとき選ばれるのが、香ばしく揚げたポテトやフリットを主役に据えた一皿。
近年イタリアでは、グルメバーガーを提供する店が増えており、そこで出会う揚げ物は、単なるサイドメニューではなく、「食事のスイッチを入れる前菜」として楽しまれることもあります。
こうした揚げ物は、メニュー上ではサイドや軽食として扱われることが多いのですが、実際には「食べ始めの一皿」として選ばれることもしばしばあります。
アメリカ的なバーガースタイルでありながら、“まずはここからシェアして始めよう”というイタリアらしさが、揚げたての香りとともにテーブルに広がります。
「Fritto misto」 と呼ばれる揚げ物盛り合わせ。カジュアルな店ほど、気取らないおいしさがある。
グルメバーガー店で見つけた2種類のポテトフリット。塩気と熱が、食欲を引き寄せる夜にぴったり。
揚げ物は、歴史的には前菜に分類されないこともありますが、「その日の自分を満たすために選ぶ一皿」であることに変わりはありません。気軽で、少し衝動的で、それでいて美味しい。イタリアの夜には、そんな前菜だって許されるのです。